同潤会アパート探訪記
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三ノ輪アパートメント

2008年3月探訪
所在地:東京都荒川区東日暮里2丁目

2008年3月現在で解体待ち状態でした。青山アパートと違って敷地はかなり狭く、路地裏のような細い通り沿いにあることから、その存在に気付かない人も多いことだと思います。
このアパートに初めて出会ったのは2001年頃。三河島駅から三ノ輪駅方面に歩いていたところ、汚いながらも独特の存在感を放つ建物が突然目に飛び込んできました。 周囲の建物はごく普通の木造住宅やマンションでどこにでもあるような街並みで、三ノ輪アパートはそのような中に建っていました。狭い敷地に4階建ての崩れ落ちそうな建物が2棟ひしめくように建っている姿はなんとも不思議な雰囲気でした。 これは一体何だと後で調べたところ、あの青山アパートと同じ同潤会の建物だと知って驚いたのは記憶に新しいです。
完成したのは1928(昭和3)年で青山アパートよりも若干新しいそうですが、コンクリートの剥がれがかなり目立ち、老朽化が極めて著しかったです。また、あとでわかったことですが、コンクリの剥がれやひび割れは単なる老朽化によるものではなく、 東京大空襲時に爆撃を受けたことも原因だそうで、最後まで廊下の壁や手すりの一部が焼け落ちたまま使われていたそうです。その様子は「同潤会アパートメント写真集」を見るとよくわかります。まさに戦争の生き証人といえる大変貴重な建物でした。
また、かつてはこの近くに同潤会の鴬谷アパートがありましたが、こちらは1999年に取り壊されてしまいました。


正面玄関と南棟。このとき外壁は落下防止のネットで覆われていた。

北棟。三ノ輪アパート建替え計画の看板が、言いようのない虚しさを醸し出す。

南棟。2007年初頭くらいまでは、異様に張り出した物干し竿に洗濯物がぶら下がっているのが目立ち生活感があったが、今は無人。

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