富士山登山記2008
2008年8月8〜9日


8月8日(出発)
19:00新宿西口。案内に書かれていた銀行前の集合場所は、登山の装備に身を包んだ人で溢れかえっていた。 係員のところで受付を済まし、指定された5号車に乗車。
渋滞もなくスムーズに首都高4号線、中央自動車道へとバスは進み、途中で一度トイレ休憩。 21時頃には富士急ハイランド前を通過。スバルラインに入るとカーブと勾配が延々と続き、非常にゆっくりと進んでいくが、 このままなら22時には5合目に到着できそうだ。
そして、渋滞もなく予定通り22時に河口湖口5合目に到着。夜勤明けで昼寝をしたもののあまり寝ておらず、 バスの中でもあまり眠れず、寝不足状態でのスタートとなるも、なんとか出発。

8月8〜9日(登山開始)

富士急雲上閣にて、渡された金剛杖100円引き券を使って旗付きの金剛杖を購入。自称平和の祭典の開会式は見ず、平和の光を見にいざ出発。
22時35分、気温15℃


7合目までは緩やかな道なのでつい張り切ってしまい、5〜6合目=45分、6〜7合目=60分とされている標準所要時間の半分ほどで7合目に到着。
23時30分、気温13℃
最初からこんなことをやっていては後でくたばること確実なので、7合目以降は"特急から各駅停車"になり、ところどころで休み休みいくことにしたが、 ここから先は異常な混雑で前に進むこともままならない状態。 休みたくなくても足止めを食らうこともあったので、休みつつもペースをできるだけ落とさずに進んだ。

それにしても登山道が詰まるなんて、今回の混雑は異常すぎないだろうか。 特に団体で登るツアー客が増えすぎた気がするし、彼らが休憩所などで周りを見ないで集団で止まったりするのも詰まる原因だったりもした。
また、登山をなめているとしか思えない奴も目にした。白人の男女4人組だったが、なんと女が2人ともミニスカート!ついでにその片方はバカップルで、 登山道で休憩所でいちゃついていた。おまけに登山道を逸脱して登っていくというルール違反ぶり。
大渋滞でなかなか進まなくなるとイライラして正規の登山道をショートカットしようとする人も多いようだが、落石を誘発する恐れもあり、 本人ばかりか周囲にも危険を及ぼす行為であり、感心できない。
最初に彼らを見たときは、こんな奴等に負けてたまるかと変な闘志を燃やして、突っ走ったりしてしまったが、 こういう彼らの「反則負け」を見て対抗するのをやめたのは言うまでもない。


1時半頃に着いた本八合目までは地上と同じ服装だったが、気温は10℃まで下がり、動いている間は気にならなかったもののさすがに寒くなってきたので、 1枚羽織ることにした。


3時45分、東の空がうっすらと明るくなってきた頃に9合目の鳥居を通過。
このときの気温は8℃にまで下がっていた。歩いているときは足元を気にすることに、止まっているときは前がいつ動くのかに必死で 空を見上げる余裕すらなかったが、ここまで来れば山頂のご来光に間に合いそう。 ようやく空を見る余裕ができたので見上げると、満天の星空に感激。残念ながら見逃したが、流れ星が見えたという会話も耳にする。
山頂には4時20分頃に到着。ご来光を見るのにちょうどいい場所を確保し、日の出を待つ。このときの気温は5℃と、昼と夜で一気に30℃の 温度差を体験したことになり、3776mの標高を実感。


4時55分、正面からついに日の出が!あまりの混雑にご来光までに辿り着けるか不安でしたが、こうして無事に見ることができたのは幸いです。


山頂ではチベットの祈祷旗「タルチョ」を広げ、ご来光と共に同国及び世界の平和を祈らせていただいた。


その後は火口周囲を1周する御鉢巡りをする。山頂は狭く平坦なように見えるが、意外にもアップダウンが激しく、 1周するのに1時間はかかった。西に周ると、下界に富士山の影がきれいに写っているのが印象的だった。


今は無人になってしまった富士山測候所を撮影。 ドーム型の特徴的な富士山レーダーは撤去されてしまったが、測候所前にある最高峰の碑は、記念撮影する人でごった返していた。
山頂を1周した後は本8合目の山小屋まで下り、2時間半ほど休憩。
疲れに加え高山病になったのか頭が痛く、一休みしなくてはとても駄目な状態だったので、 今回のツアーにオプションで設定されていた仮眠休憩をつけたのは正解だったといえる。


しかし、あまり遅くなりすぎると集合時間に間に合わなくなる恐れがあるので、 休んでも完全に回復しないまま本8合目の山小屋を後にし、2時間ほど滑りやすい砂利道を下り降りて、11時40分頃に5合目の富士急雲上閣に到着。
途中怪しい雲が出てきたり雷鳴もあったが、雨に降られることなく無事帰還。途中でお茶がなくなってしまい、8合目から何も口にしないまま 降りてきたので、即水分補給。頭の痛みも少しづつ治まってきた。


食事を終えた頃くらいより急速に雲行きが怪しくなってきて、12時半過ぎよりついに雨が降り始めた。 しかも激しい落雷音を伴う雷も鳴り始めてしまい、下山があと1時間遅かったら雷雨に遭遇しているところだっただけに、 本当にギリギリセーフだったといえる。
5合目には、これから登り始める人も多数来ていたのですが、当然ながら皆足止めを食らってしまい、レストハウスはいずれも大混雑。
お土産を買っているうちに集合時間が来て、バスに乗り込み開始。 このときも激しい雷雨&雹が続いていたため、添乗員の案内が「バスが到着しました!駆け足で乗り込んでください!」といった言い方だったのが やけに印象に残った。
添乗員の指示通り、駆け足でバスに乗り込んで富士山を後にする。
最後は河口湖市街地の温泉で一風呂浴びて帰路についたが、帰りは道路が大渋滞。16時半に河口湖を出発して1時間ほど眠って、 目が覚めたらまだ山梨県内。18時予定だった新宿到着は当然大幅に遅れてしまったが、無事に帰ってくることができた。



その他雑記

富士山のトイレ事情

意外に感じる方も多いかもしれませんし、逆に当たり前のことかもしれませんが、富士山には上下水道が一切通っていません。 山頂など上のほうだけでなく、車が入れる5合目から既に水道は通っていません。
では、水はどうやって調達するのかというと、まず1つは「下界からタンクに入れて運んでくる」、そしてもう1つは「雨水を集めて利用」です。 いずれにせよ、下界のように自由に水を使うことができないのです。

そこで一番問題となるのがトイレ。自由に水を使えない場所だから、当然下界では当たり前の水洗トイレはなく、 列車トイレみたいな循環式水洗トイレや、 微生物に分解させるバイオトイレなどが主流となっています。バイオトイレは見た目はぼっとん便所ですが、匂いはあまりきつくありません。


富士山の物価

輸送費がかかるから当たり前かもしれませんが、とにかく物価が高い!どんな物でも下界の3〜4倍はします。
ホット缶コーヒーは生ぬるいくせに400円もします。 下界でそんなの飲んだら間違いなくまずいのですが、山頂で疲れた中で飲むと不思議と美味しく感じるのはどうしてでしょう。


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