8月17日 |
JAL1041便は定刻通り離陸。 地面は見る見る遠ざかり、あっという間に下界が小さく見える高さまで上昇。 上空から見る東京の夜景はなかなかのものである。機内アナウンスで、25分後に山形付近、45分後に青森付近上空を 通過するとアナウンスしていたとおり、東京を去るのは早い。町の明かりは見る見る少なくなり、 しまいには真っ暗になってしまった。しかし、真っ暗になったかと思うと再び町の明かりが見えてくる。 こんなとき、ここはどこなんだろうと機内誌の地図を見ながら予想するのも面白い。 ちなみに、このとき機内オーディオで流れていた音楽は「夜間飛行」。まさに今にぴったりの曲だ。 青森上空を通過と言っていた45分ほど経った頃に見えた外の景色は、海岸線の形から一目で下北半島と分かった。 いよいよ本州を離れ、陸の明かりが遠ざかっていく。眼下に広がるのは漆黒の闇。ところどころに星のように見える点は、 漁船だろうか。 そんな暗闇の海峡も十数分で通り抜け、再び町の明かりが見えてきた。ついに北海道の地面が見えてきたのだ。 シートベルト着用サインが点灯し、着陸の案内が始まった。 新千歳空港には、ほぼ定刻通りの21時48分に着陸。ゲートを抜けたらどこにも寄らずにバスか電車の乗り場へ急いだ。 バス、電車とも出発は22時15分だったが、運賃が40円だけ安いこととホテルの近くで降りられることから、 北海道中央バスの札幌中心部行き高速バスを選んだ。 バス乗り場で初めて屋外に出ると、やはり外の気温は東京に比べていくらか涼しく、北海道に来たことを体感した。 バスは十数人の乗客を乗せて発車。ほどなくして道央自動車道に入り、その途端に眠気に襲われて眠ってしまった。 目が覚めると地下鉄東豊線の駅が見えた。もう札幌市内に入ったようだ。間もなく豊平川を渡る。 降りる予定の南3条西は、歓楽街すすきののほぼ中央。豊平川を渡れば、そこはもうすすきの。もうすぐだ。 時間は23時20分。水曜日だし皆が家に帰っているはずの時間帯だがネオンの明かりも人の流れも衰えることはない。 ここが、北海道最大にして日本有数の歓楽街であることを改めて実感。 バスを降り、ドンキホーテでペットボトル緑茶や菓子を買ってからホテルに入る。 時間は23時40分。明日は早いので、さっさと寝ることにした。 |
8月18日 |
いつもの習慣からか朝5時半に目を覚ますが、まだ時間があるので再び寝てしまった。
7時に起き、朝食を買いにコンビニへ行く。 軽い朝食を済ませて近くのレンタカー店に向かう。予約したのは軽だったが、なぜかマーチが来たのは嬉しい。 北海道の道にはパワーに余裕のある車のほうがいいだろう。車を受け取りいざ出発。 当別方面の矢印を追って東へ進み、豊平川沿いの国道275号線に入る。北竜までこの275号線1本だ。 札樽自動車道をくぐったあたりから周囲には家が少なくなり、北海道らしい風景に変わってきた。 左には牧場も見えるが、ここはまだ札幌市内。 江別市のはずれを抜け石狩川を渡り当別町に入るが、ここでいきなり道を間違えてしまった。 当別町に入ってすぐの交差点で、275号線の北竜方面は右折となる。直進すると違うところに行ってしまうのだった。 そばにあった公園でUターンし、再び275号線に戻る。 しばらくすると前方に駅が見えてきた。学園都市線(札沼線)の北海道医療大学駅である。 ディーゼルカーにしては長い6両編成の列車が停車している。 この路線は、北海道医療大学を境に本数が激減するのが特徴で、札幌寄りの各駅が都市の駅といった雰囲気なのに、 1つ先の石狩金沢からはローカルムードの駅舎ばかりとなる。そんな石狩金沢駅をちょっと覘いてみることにした。 「何じゃこりゃ!」 駅前には何もない。店も交番も公衆電話もトイレも自販機もない。家はぽつんと建っているけど、歩いている人の姿はない。 おまけに、廃貨車を使った待合室の入口にはクモの巣まで張っていた。 石狩金沢駅を見た後は、再び275号を北へ進む。途中、石狩月形駅や浦臼駅を見て、札沼線の終点・新十津川駅へ行く。 新十津川まで来る列車は1日わずか3本と非常に少ないにもかかわらず、なぜか駅の周辺は住宅地が広がっている。 初めて来たのは6年前だったが、このときは想像していた風景と全然異なったので首を傾げたのは言うまでもない。 実は、ここから函館本線の滝川までわずか3km程度で、バスも充実しているため、交通の便がよい。 ここだけ見ているとなぜ札沼線が1日3本しかないのかが、やはり不思議に思えてくる。 新十津川を後にしたら、今度は寄り道をせずにひたすら北竜を目指す。 雨竜町を通過したときに「面白内(おもしろない)」という地名を発見し、 「駄洒落を言ったときに言われたくない言葉だな」と思いながら、思わず笑ってしまった。 北竜町に入ってすぐに見えてきたひまわりの里の看板を左折すると、ようやく向日葵畑が見えてきた。 札幌からここまでの距離は実に100km。関東なら2〜3都県にまたがってしまうような距離だから、改めて北海道の広さを実感。 今年は開花がやや遅く、ちょうど今が見頃だそうだ。枯れている花はほとんどない。 また、背丈は例年より低めとのことだが、花の大きさと数には圧倒される。 広大な畑を一周見終わった後は、片隅にある「世界のひまわり」の畑に。こちらにはメインの向日葵畑 とは異なる品種が数種類植えられていて、中にはオレンジ、ワインレッドなど、黄色くない花まであって面白い。 向日葵を見終わり、屋台のお好み焼きと名物ひまわりソフトクリームを食べて北竜を後にする。 帰りは特にどこにも寄らないつもりでいたが、障害物のない直線道路のせいか、眠気に襲われる。 居眠り運転などしてしまっては一大事なので、ドライブインでこまめに休憩を取りながらのんびりと札幌を目指した。 札幌には予定より早く16時頃に到着。レンタカーを返しホテルに戻る。今度は18時に現地の知人と会う約束をしている。 しばらく休んでから札幌駅に向かう。途中道庁の前を通るのでお約束の写真も一枚撮った。 現地の知人は、6年前に現地のサークルで知り合ったときからの飲み仲間で、今回は3年ぶりの再会となる。総勢4人で 駅近くの居酒屋に入る。近況や思い出話に花が咲き、気がつけば23時。女性が1人抜け、男3人で大通公園をぶらぶらし、 最後はすすきのにある蕎麦屋に入ってお開き。時計はもう2時を指していた。 |
8月19日 |
朝8時半に目を覚ます。ホテルの近くで朝食を食べる場所を探すが、狸小路の店はどこも開いていない。
唯一ロッテリアだけが開いていたので入った。札幌まで来て朝食がロッテリアなんてと思ったが仕方ない。
その代わり、昼食は豪華にしたいと思った。 食べて一休みしてからチェックアウトし、大通公園を抜けて札幌駅に向かう。今日の目的地は小樽である。 小樽行きの快速がちょうど来たので、これに乗車。 札幌を出るとしばらくは住宅地が広がっている。車窓左遠方には藻岩山をはじめ山々が広がっているが、 郊外に行くにしたがってその山々がこちらに近づいてくる。車窓右の景色も小樽に入ってすぐの銭函を通過したあたりで 一変した。 線路の横は海。石狩湾の大パノラマが車窓に広がる。今日の波はやや荒く、窓を開ければ水飛沫が飛び込んできそうだ。 それくらい海のそばを走っている。 いくつかのトンネルを抜けると海岸が遠くなり、小樽築港に到着。巨大ショッピングモール「マイカル小樽」の最寄り駅である。 札幌に移ってすぐの頃、石原プロワールドを見にここに来たことがある。だが、石原プロワールドも今は存在しない。 小樽築港を出ると、続いて南小樽に停まり終点の小樽に到着。 バスの一日乗車券を購入して市内散策バスに乗車。煉瓦建築の美しい小樽運河を眺めてから、フードモールの出抜小路に入る。 観光客目当ての店はどこも高く、単品1000円以上も珍しくないが、その中で安く手軽なハンバーガー店を見つけたので 入ることにした。 食事を済ませたら今度はおたる水族館行きに乗車。終点の少し手前で下車し、鰊番屋の旧青山別邸に向かう。 日本庭園を備えていたりしてなかなかいい感じの建築だ。中を見ることもできるが、入場料の高さに断念。 そのまま歩いて鰊御殿に向かう。 鰊御殿には3年前にも来たことがあるが、以前来た時よりも外装がきれいになっている。リフォームでもされたのだろうか? だが、玄関を入ってすぐのところに、衝撃的な写真が掲載されていたのを見て驚いてしまった。 それは、天守閣が倒壊し、屋根が吹き飛ばされて無残な姿となった鰊御殿の写真だった。 昨年9月の台風で被災し、この7月に復旧して公開を再開ばかりとのこと。 そう、リフォームされたからではなく災害復旧のためにきれいだったのだ。 恐る恐る中に入ってみたが、内装もほぼ元通りになっていて安心したのは言うまでもない。 今年も台風が来ることがあるかもしれないが、こういうことは起こって欲しくないものだ。 鰊御殿を見終わった後は、裏の山に登ってみる。 断崖絶壁でかなり怖いが、景色は良い。その崖にしがみつくようにハマナスが群生していた。 もう花は終わって赤い実をつけていた。 ハマナスの向こうには島のようなトド岩が見える。 そして、最後の目的地である天狗山に向かう。バスで一旦小樽駅に向かい、天狗山ロープウェイ乗り場行きに乗り換える。 バスは中心部を離れ、急な坂道をゆっくりと登り、住宅街を抜けた先に終点のロープウェイ乗り場に到着。 駅を出たときは晴れていたのに、ここに着いたら雲行きが怪しくなってきた。 ここからロープウェイで山頂までの所要時間は約4分だが、乗っているうちにとうとう降ってきてしまい、 しかも窓ガラスに叩きつけるように激しくなり、下界の景色も全く見えなくなってしまった。困ったものだ。 せっかくここまで来たのが台無しになりそうだが、雨レーダーを見るとどうやらすぐ上がるようなので、 展望食堂に入り雨が上がるのを待つ。その間約1時間。食堂で前日までの日記をつけることにする。 そして、1時間も経たないうちに雨は上がって雲も取れ、徐々に景色が見えてきた。すっきりとまではいかないが かなり遠くまで見渡せるようになり、さっきの鰊御殿も見える。 ここは北海道三大夜景のひとつと言われているだけに、できれば暗くなるまで いたいが、時間がないので暗くなる前に天狗山を後にすることにした。またいつかここに来たときは、今度こそ夜景を楽しみたい。 小樽から新千歳空港までは1時間ちょっと。空港に着く頃にはちょうどいい時間になってしまう。 バスで小樽駅に戻ったころには、もう薄暗くなっていた。快速エアポートに乗り、一路新千歳空港を目指す。 海が見える左側に座ったが、もう暗くなって見えない。眠ってしまい気がついたら札幌に到着した頃だった。 通勤ラッシュの時間帯で、東京ほどではないが客がどんどん乗り込んでくる。 新千歳空港に到着した頃には出発1時間前。お土産を大急ぎで買い、搭乗手続きに向かう。 あれこれやっているうちに気がつけば出発時間になってしまった。3日間の旅が間もなく終わろうとしている。 3日間はあっという間だった。次はいつ来るかはわからないが、また面白いスポットを廻ったり、 飲み仲間と会ったりしたいものだ。 |